2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

利休道歌 9

何にても置き付けかへる手離れは 恋しき人にわかるると知れ 前の歌では、道具を置いて手をはなすときは「置く手重かれ」 と教えていますが、この歌はさらに「手離れは恋しき人にわかるると知れ」と言っています。 水指などを持ち上げるときは ごく手軽にとり…

とき青年部茶会 香煎席

香煎席の担当は茶会委員会 お床には信楽の作家 杉本貞光さんの色紙「喫茶去」 平茶碗が描かれています。 貞光さんは先日105歳で亡くなられた、立花大亀老師に大変可愛がられた方。 お席の話題にもなりました。 煙草盆は表完 作 雲珠透かし 特にお好みはご…

利休道歌 8

何にても道具扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ お点前には、運び点前と棚点前があります。 運び点前は、風炉・釜だけが最初から据えてあって、 水指・茶碗・棗はお点前にかかる前に運び出し、定められた位置に置きます。 この歌は、特にこの運び点前…

とき青年部茶会 お待合

奥座敷の一番手前のお部屋、前座敷側一室をお待合にいたしました。 受付された方が香煎席に入るまでの間、お待ちいただくお部屋です。 ここにタペストリーを飾りました。 銘は「月あかり」 教養研修委員長Eさんの大作です。 その方面では有名な方だそうで「…

利休道歌 7

点前には強みばかりを思ふなよ 強きは弱く軽く重かれ 前述の道歌と意味としては同じかもしれません。 軽い物を持つときは、重い物を持つ気持ちで、 思い物を扱うときは、軽い物を扱う気持ちを忘れないようにします。 軽い物を軽く持つから、かえってあやまち…

とき青年部茶会 はじめに

吹く風にも秋の気配を感じる8月27日土曜日 新潟市白山公園にある「燕喜館」において とき青年部茶会を開催いたしました。 「燕喜館」は明治から昭和にかけて活躍した商家である三代目齋藤喜十郎氏の邸宅の一部を 蓮池を中心として公園全体を眺望できる場…

利休道歌 6

点前には弱みをすててただ強く されど風俗いやしきを去れ お点前はおしとやかにするもの、と思われるますが なよなよと弱々しいのも良くありません。 また、力が入りすぎるお点前も見た目が卑しくなります。 気持ちは優しく、動作は強く。 このように考えれ…

ばらのジャム お気に入り Part 5

今年初め 谷村志穂の『海猫』を読んだ。 最近は女流作家の作品しか読まなくなった。 何故か? それは男性の作家が描く「女心」に疑問を抱くようになったからだ。 若いころは「よく女心がわかるもんだなぁ」と感心したが 今では「そんなの男の勝手な考えじゃ…

利休道歌 5

上手にはすきと器用と功積むと この三つそろふ人ぞ能くしる 名人になるために必要な条件が三つあるそうです。 1.好きでなくてはならない。 2.器用でなくてはならない 3.たゆまざる修業 「好きこそ物の上手なりけれ」という言葉がありますが いやいや習…

今日の禅語

深 知 今 日 事 深く今日(こんにち)の事を知る 私たちはとかく明日、あるいは一ヵ月先、一年先のことを思って 心を弾ませたり悩んだりしがちですが、 目の前にあること、すなわち今日の事を充分に知り、 力を尽くしているでしょうか。 今日のこの日、この…

利休道歌 4

はぢをすて人に物とひ習うべし 是ぞ上手の基なりける 「聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥」 という言葉があります。 聞く時は恥ずかしいと思うかも知れませんが 機会を逃してしまうと、知りたいこともそのままになってしまいます。 少しの勇気で一生の得にな…

陰陽師 安倍晴明

安倍晴明(921~1005)の生誕については正確にはわかりません。 父 安倍益材(ますき)は大膳大夫(内裏における調理や食料の管理などを司る長官)であり 陰陽道とは関係ない人物でした。 少し前の「晴明さま」ブームでは、安倍晴明は若くてステキな…

利休道歌 3

こころざし深き人にはいくたびも あはれみ深く奥ぞ教ふる 茶道に限らず、熱心なお弟子さんには親切な師匠であるべきである ということでしょう。 わたしはお茶は教えていませんが、中学生に数学と英語を教えています。 自分が納得するまでとことん質問してく…

紫雲寺記念公園「バラの管理体験」に参加しました

昨日21日に紫雲寺記念公園で行われた 「バラの管理体験しませんか」に参加しました。 初めての経験でちょっとドキドキでしたが、 他の参加者も初めての方が多くて、ちょっと安心。 新聞の全県版にも案内が載ったらしく 市外の方がほとんど。60名以上の参…

利休道歌 2

ならひつつ見てこそ習へ習はずに よしあしいふは愚なりけり 「食わず嫌い」ということがあります。 茶道を批判する人の中には、この「食わず嫌い」が多いようです。 批判するのであれば、その対象に自ら入り込まなければ 本当の批判はできないのでは。 ホリ…

『きものと裂(きれ)のことば案内』

長崎巌著 小学館刊 2005年4月 「腰巻」は正装、男の子も「振袖」を着た・・・。 東京国立博物館で20年間、染織の優品に接してきた著者が きものに関する言葉を通して、日本人が風土に合わせてどのように衣服を工夫し 楽しんできたかを紹介しています…

利休道歌 1

その道に入らんと思ふ心こそ 我身ながらの師匠なりけれ この道歌は淡交会関係の集まりには 必ず一番初めに唱和されます。 道歌百首の序論とでもいいましょうか。茶道を学ぶ者の心構えを教えています。 何事にもその道に入り、その道を学ぼうとするには まず…

暦道 賀茂氏 と 天文道 安倍氏

律令制では陰陽道を世襲の職とは定めていません。 遣唐使を通じて最新の陰陽知識と書物がもたらされた時期には 陰陽職の固定化は起こりませんでした。 しかし平安期の国風文化の中で日本の陰陽道が確立してくると 陰陽道の有職故実化(ゆうそくこじつか/朝廷…

とき青年部茶会に向かって (3)

今 青年部茶会の打ち合わせから帰ってきたところです。 今日は各席の道具合わせでした。 副部長のU子さんが新発田に転勤になったため、 仕事帰りにわたしを拾って新潟ユニゾンプラザまで連れていってくださいます。 今までは駅まで歩いて15分 新潟駅まで…

利休道歌 はじめに

『利休百首』とは、千利休が和歌の形を借りて、茶道の精神、点前作法の心得などを 初心者にもわかりやすく、記憶しやすいよう、三十一文字にまとめて百首集めたものです。 しかし、全部が利休作であるとは断言できません。 昔から、紹鴎百首とか、利休五十首…

100人中13人!!!

15日は60回目の終戦記念日でした。 お昼に『笑っていいとも』を見ていました。 「テレフォンショッキング」のゲストは元自衛官の今井雅之。 会場の女性100人に聞いて1人だけあてはまる人がいたら タモリの携帯ストラップがもらえる、というコーナー…

平安時代の陰陽道

いよいよ安倍晴明が活躍する平安時代ですが きょうは平安時代の陰陽道についてお話しますので 晴明さんもう少し待っててね。 陰陽五行説を中心根拠として、予言と攘災(じょうさい/わざわいを払う)の 技術を駆使して権力の永続性に奉仕したのが宮廷陰陽師で…

点前のすがた

『四季折おり 茶の湯ごよみ 風炉の季節』淡交社刊を見ておりましたら 興味深いお話が載っていました。 席中の様子を伺いながら点てる 様子点 味わい深く見せようと点てる 味点 ここぞという見せ場をねらい定めて点てる ねらい点 力んで点てる 力み点 道具や…

消毒2回目

先回 消毒してから2週間たったので 「木酢液」を100倍「碧露」を500倍にして ペットボトルに入れ、ペットボトルの口にスプレーを取り付けて 葉っぱの裏側から全体まんべんなく シュッシュッと散布する。 残った液は鉢の土にまいた。 2週間たって、気…

きょうの禅語

行 雲 流 水 こううんりゅうすい 雲や水が何も妨げられることなく気ままにどこへでも流れて行くさまから、 微塵の執着もなく自由自在融通無礙(ゆうずうむげ)に振る舞う禅者の姿を 表現するのにこの語は用いられます。 これを略した「雲水」が禅の修行僧の…

新発田の御菓子司 3 翁屋

きょうご紹介するのは、大きな「翁最中」で有名な「翁屋」さんです。 「翁最中」は能面の翁をかたどった最中です。 中に求肥とたっぷりのこしあんが入っています。 また写真が良く撮れません。 上から時計まわりに 「夏祭り」「水牡丹」「朝の露」「岩清水」…

リクエストにお答えして 加古勝己 雫碗 Part2

好評の雫碗 見込みの写真で~す。 真上から見ると もっと三角です。 加古さんは『陶磁郎36』「茶碗新時代」に紹介されている 有望株の作家さんの一人です。 泉涌寺にあるご実家では、ひと昔前までタイルも焼いていて タイル用のざっくりとした土が残り、信…

やっと届きました! 加古勝己 雫碗

6月下旬に長岡の「ぎゃらりぃ栗本」で一目ぼれしたお茶碗。 夫も気に入ってくれたので「お買い上げ」いたしました。 我が家では、夫がOKしないと買えません…。 必然的に「土物」ばっかり…。 京焼のきれいなお茶碗も欲しいな…。ナイショで買っちゃおうかな…

奈良時代の陰陽道

奈良時代 聖武天皇・光明皇后の時に、東大寺・諸国国分寺が造営され 大仏造営も発願されて、仏教の国家的利用は天平文化として花開きます。 仏教が国家によって民衆支配の道具になりました。 仏教の陰陽道への関与が禁じられた、と先回お話しました。 これは…

岩の原葡萄園に行ってきました

10月2日(日)に行われる裏千家淡交会青年部新潟県大会の下見に 新潟県上越市北方にある「岩の原葡萄園」に行きました。 日本で初めて赤ワインを作った葡萄園です。 あの「赤玉ポートワイン」の国産原料を使った作り方の開発をしたところでもあります。 …