四規七則

「和 敬 清 寂」

前回まで一字ずつの意味についてお話しいたしました。 「わけいせいじゃく」という一つの熟語ではないようです。 鵬雲斎大宗匠が書かれた 淡交ムック『茶の心』に極めて明快に説明されているので 締めくくりとして引用させていただきます。 和敬清寂とは 四…

「和敬清寂」の「寂」

わたしの座右の書 講談社『日本語大辞典』によりますと 音読み ジャク・セキ 訓読み さび・寂しい(さびしい)・寂れる(さびれる) ①さびしい。しずか。 ②仏教で、涅槃の境地。僧の死。 ③さび。閑雅なさま。 ④さびれる。ふるくなる。おとろえる。 普通に考…

「和敬清寂」の「清」

これはよく「静」と間違えられます。 以前、ある機関誌に原稿を頼まれ「和敬清寂」について書いたことがあります。 「清」の字がみな「静」になっていました。 「違っているので訂正してください。」と申しましたら 「いえ、これでいいんです。」だって??…

「和敬清寂」の「敬」

講談社『日本語大辞典』によりますと 音読み ケイ 訓読み 敬う(うやまう) うやまう。つつしむ。 とあります。 「うやまう」を調べますと 人やすぐれたものをたっとぶ。尊敬する。 「つつしむ」とは ①気をつける。過ちを犯さないように用心する。 ②控えめに…

「和敬清寂」の「和」

講談社の『日本語大辞典』によると 和 訓読みでは 和む(なごむ)和らぐ(やわらぐ) ① 気があう。なかよくする。 ② 平和。 ③ おだやか。なごやか。 とあります。 「和」といえば聖徳太子の十七条憲法を思い浮かべるのはわたしだけでしょうか? 「和を以て貴…

和敬清寂

「和敬清寂(わけいせいじゃく)」 千利休の茶道の根本精神を要約した言葉で、「利休四規」といいます。 先の「利休七則」と合わせ「四規七則」と称されます。 実家の母は高校時代、表千家茶道を習っていました。 「お茶の先生はいつも和敬清寂、和敬清寂と…

相客に心せよ その2

昨日の第七則「相客に心せよ」の補足説明です。 主客または正客とはその茶会・茶事のメインゲストです。 本来、茶事は主客一人のために催すもので、他の客(連客/れんきゃく)は 相伴(しょうばん)とされます。相伴とは付き添いではなく、主客とおなじ空間…

相客に心せよ

いよいよ利休七則の最後、第七則「相客に心せよ」となりました。 相客(あいきゃく)とはお茶会やお茶事に招いた客のうち、 主客(正客)に対して相伴(しょうばん)の客をいいます。 連客(れんきゃく)ともいいますね。 お茶会やお茶事に招かれたら、その…

降らずとも傘の用意

きょうは第六則「降らずとも傘の用意」です。 雨の多い日本ですから、いつ降り出すかわかりません。降り出した時に 用意ができているか、ということです。 いつも傘を持ち歩きなさいということだ、と単純に考えていたらそうではありませんでした。 どんなと…

刻限は早めに

きょうは第五則「刻限は早めに」です。 約束の時間や決められた時間は、必ず守らなければいけません。 予期しない事が起こるかもしれません。何事も早め早めに行動するように という意味です。 現在では携帯電話という便利ツールがあるため、かえって時間を…

夏は涼しく冬暖かに

第三則は前にお話した「花は野にあるように」です。 きょうは第四則「夏は涼しく冬暖かく」について説明いたします。 「夏は涼しく」と言いますと、今ではクーラーの効いた部屋でビールを一杯と 思ってしまいますが、それは生理的に他から与えられた涼しさで…

炭は湯の沸くように置き

久しぶりに利休七則のお話です。 今日は第二則「炭は湯の沸くように置き」です。 ただ単に湯が沸けば良いということでなく、まごころを込めてお湯を沸かし お茶を点てお客様をもてなすことが大切、ということです。 健康ブームで炭の効果が注目されています…

茶は服のよきように点て

日曜は更新をお休み致しました。 昨晩8時過ぎに、プレオープンしたイオンショッピングセンターに行って来ました。 日本海側最大の規模ということで、店内には絨毯が敷かれまるでお台場か六本木ヒルズ (チョットおおげさ)のようでした。夜11時までの営業…

利休七則

今日は夜に用事があるため、早めに更新します。 昨日の「花は野にあるように」が利休七則のひとつとお話いたしましたが、 今日は利休七則について少しお話いたします。 利休はあるとき、弟子の一人から次のような質問を受けました。 「いったい、茶の湯の上…

花は野にあるように

今日はお花のお話をしたいと思います。 千利休が茶の湯の心得を説いたといわれる教え七条を「利休七則」といいます。 そのひとつにこの「花は野にあるように」があります。 お茶席で使われるお花を「茶花」といいますが、池坊とか小原流などのような華道の流…