#短歌

利休道歌 13

とにかくに服の加減を覚ゆるは 濃茶たびたび点てて能く知れ 薄茶を加減よく点てるのも練習ですが、 お濃茶を加減よく練るには、さらに練習が必要です。 井口海仙宗匠(裏千家第14代お家元淡々斎の実弟)の知人のお茶人が 「濃茶一貫目(約4キログラム)練…

利休道歌 12

濃茶には湯加減あつく服は尚ほ 泡なきやうにかたまりもなく お濃茶も薄茶も湯加減が大切です。 四季の暑い寒いに従って、ときに応じ処置するのが 「真の茶人、点前上手」といわれますが・・・。 風炉と炉の時期では炭手前のタイミングが異なりますが 釜のお…

利休道歌 11

濃茶には点前をすてて一筋に 服の加減と息をもらすな お濃茶は服加減が一番大事です。 お濃茶を服加減よく練るには、湯加減とお湯の量が決め手です。 しかしこの歌のように「点前をすてて」しまっては、お濃茶を練ることはできません。 これは服加減よくお濃…

利休道歌 10

点前こそ薄茶にあれと聞くものを 粗相になせし人はあやまり 相伝物※1だからといって点前を丁寧にし、お濃茶だから丁寧に点前をする というのは間違いです。 点前の上手・下手は、運びの平点前の薄茶で最もよくわかるそうです。 山上宗二※2は「真の茶は薄茶…

利休道歌 9

何にても置き付けかへる手離れは 恋しき人にわかるると知れ 前の歌では、道具を置いて手をはなすときは「置く手重かれ」 と教えていますが、この歌はさらに「手離れは恋しき人にわかるると知れ」と言っています。 水指などを持ち上げるときは ごく手軽にとり…

利休道歌 8

何にても道具扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ お点前には、運び点前と棚点前があります。 運び点前は、風炉・釜だけが最初から据えてあって、 水指・茶碗・棗はお点前にかかる前に運び出し、定められた位置に置きます。 この歌は、特にこの運び点前…

利休道歌 7

点前には強みばかりを思ふなよ 強きは弱く軽く重かれ 前述の道歌と意味としては同じかもしれません。 軽い物を持つときは、重い物を持つ気持ちで、 思い物を扱うときは、軽い物を扱う気持ちを忘れないようにします。 軽い物を軽く持つから、かえってあやまち…

利休道歌 6

点前には弱みをすててただ強く されど風俗いやしきを去れ お点前はおしとやかにするもの、と思われるますが なよなよと弱々しいのも良くありません。 また、力が入りすぎるお点前も見た目が卑しくなります。 気持ちは優しく、動作は強く。 このように考えれ…

利休道歌 5

上手にはすきと器用と功積むと この三つそろふ人ぞ能くしる 名人になるために必要な条件が三つあるそうです。 1.好きでなくてはならない。 2.器用でなくてはならない 3.たゆまざる修業 「好きこそ物の上手なりけれ」という言葉がありますが いやいや習…

利休道歌 4

はぢをすて人に物とひ習うべし 是ぞ上手の基なりける 「聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥」 という言葉があります。 聞く時は恥ずかしいと思うかも知れませんが 機会を逃してしまうと、知りたいこともそのままになってしまいます。 少しの勇気で一生の得にな…

利休道歌 3

こころざし深き人にはいくたびも あはれみ深く奥ぞ教ふる 茶道に限らず、熱心なお弟子さんには親切な師匠であるべきである ということでしょう。 わたしはお茶は教えていませんが、中学生に数学と英語を教えています。 自分が納得するまでとことん質問してく…