利休道歌 13
とにかくに服の加減を覚ゆるは 濃茶たびたび点てて能く知れ
薄茶を加減よく点てるのも練習ですが、
お濃茶を加減よく練るには、さらに練習が必要です。
「濃茶一貫目(約4キログラム)練ること」を目標にお濃茶点前ばかりされていました。
そのお茶人さんは、晩年 服加減よいお濃茶を練ってくださったそうな。
そのかわり、お点前は何年たっても上達しなかったそうです。
第14代お家元淡々斎はお正月一ヵ月の間に、お家元の初釜や、
各地の点初(たてぞめ※)で、何十回となくお濃茶を練られましたが
ある年、正月一ヵ月間で練ったお茶の量を計算してみたら
約一貫目になったそうです。
井口宗匠の知人が死ぬまでお濃茶ばかり練った量を
淡々斎は約一ヵ月で練り上げたことになります。
しかし淡々斎は
「一ヵ月の間に本当にうまく練れたと思ったのは、2・3度しかない」
とお話になったとか。
お家元でもそうなのですから、よほど練習しなければならない
ということですね!
さて、今晩は次男を実験台にしようか・・・。
※点初 本来「初釜」はお家元だけに使われる言葉です。一般は「点初」というのが正式です。