宗恵の『一日一禅』 104
昨日の禅語「庵中閑打坐」に続く句です。
山中の庵でひとり坐禅をしていると、山の頂きから雲が湧き上がってくる
という情況をあらわしている句ですね。
青い空に浮かぶ白い雲を見ていると、少しずつ変化して見ていてあきませんね。
穏かな悠々自適の様子が思い浮かびますが
「白雲」を煩悩の意味にとって、わたしたちの心を惑わす妄想や迷いが
自然に湧いてくることを描いた句と解釈する場合もあるんですって。
「白雲自去来」(はくうんおのずからきょらい)がその例だそうです。
今日の句は昨日の対句から考えると、穏かな心で雲を眺めている様子の方が
あうと思うのですが…。
今日で5月も終わり。「風薫る5月」と言いますが、今年は青空に白い雲を眺めて
清々しさを感じる日がなかったような気がします。