宗恵の『一日一禅』 89

諸花一時開(しょかいちじにひらく)


見渡す限りの野原にあっという間に色とりどりの花が咲き揃っている様子ですね。

煩悩の闇が一瞬にして消え、悟りの境地に至った瞬間の状態でしょうか。

禅宗では、順序次第を経ずに瞬間的に悟りが得られるとする「頓悟(とんご)」の教えと

漸次悟りに向かっていくとする「漸悟(ぜんご)」の教えがあるそうですが

この句は言うまでもなく前者の教えに基づいていますね。

そんな瞬間って、いつか来るのかしら…。

なんて思っているうちは来る訳ありません。

一生その瞬間を目指して修行せよ、ということですね。