備前焼を訪ねて 2

お昼を食べて伊部駅のおみやげ屋さんで物色していると
伊勢崎紳さんから電話がかかってきました。
陶芸美術館で1時から学芸員の方の説明があるということで
陶芸美術館で待ち合わせ。

わたし達は美術館の中で待っていましたら、また電話が。
なんと美術館の玄関のドアの中と外で電話しているという、まるでコントの一場面。
お互い耳に携帯をあてながら挨拶してしまいました。

特別展「つちの中の京都 桃山陶器の世界」で「手で触れるコーナー」が開設されていて
京都市埋蔵文化財研究所の方がお二人お見えになって、実際に桃山陶器を触ることができるのです。
発掘品ですが本当によく復元されていました。備前のお茶碗も数点ありましたよ。
発掘された時点で金継されている楽茶碗があり、たぶん長次郎の黒楽だと思われます。
織部が目立つので多くみえたのかな。志野・唐津などたくさんの資料を手に取ることができました。

すると紳さんが「いとこです」といって京都の埋文の方をご紹介くださいました。
あらま、夫と同業だわ!世の中狭いのね。

美術館を後にして紳さんの工房へ。
途中、お父様の岡山県重要無形文化財の伊勢崎満さんのお宅の前を通りました。
「僕の育った所です。」何故かジンときてしまいました。

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新幹線のガードをくぐって、くねくねと細い道を行きます。
1階が工房、2階がご自宅になっていました。
去年の秋の台風で、2階がまるごと吹っ飛んだそうです。
ちょうど窯出ししたばかりで、お客様も何組かお見えになりました。
奥様から4月23日にBS2で放映された番組を見せていただきました。
NHK名古屋放送局が作っている『器 夢工房―土と炎が作り出す文様の美』です。
技術を駆使した大皿の製作風景を写していました。
ご本人曰く「成功して良かった!ハイビジョンはシワが良く写る。」ですって。

大きな登り窯の前にはできたばかりの作品が並んでいました。
夫はその中から火襷の徳利をチョイス。

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これ実はとても注ぎにくく「花入れ」にヘンシーン♪うふふ。

紳さんとお別れしてお父様のお宅へ行きました。
そこには満さんと先ほどの紳さんのいとこの方と同僚の方がいらっしゃいました。
夫を交えて古備前の考古学的な話がはずみます。
思いもかけず、楽しいひとときでした。
あとから思えば、満さんの作品を良く見ませんでした…。

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帰りに伊部駅裏にある室町時代の「南大窯跡」を見学して伊部の旅は終わりました。

おしまい