宗恵の『一日一禅』 56

天真而妙(てんしんにしてみょうなり)


中国曹洞宗の祖・洞山良介(とうざんりょうかい)の著した『宝鏡三昧』の一節に

「天真にして妙なり、迷悟に属せず」という句があります。

「天真」とは天然自然の真実の姿のことで、この句全体では

「天地万物があるがままに完成されている様は実に見事で

それは人間の迷悟や取捨などによって変わり得るものではない」

という意味になります。

わたしたちが生まれても生まれていなくても、悟っても悟らなくても

厳然と存在する真実の大道はそのまま完全で、欠けるところは何一つとしてないわけです。

表千家の当代のお家元の斎号はここから付けられたのかしら?

自然破壊・大気汚染・オゾンホールの拡大・・・・・・

このままだと本当に人類は滅びてしまいます。

そう言ったらある人が

「そのような情況下でも生き延びていく人類はいる。だから心配することはないよ。

そうやって今までも淘汰されてきたのだから。」

と言いました。そう言われればそうだけど…。少なくともわたしが生きている間は無いと思うけど…。