宗恵の『一日一禅』 28
「十年帰ることを得ざれば、来時の路を忘却す」という句があります。
これは寒山が俗世間を離れて山中に閑居している様子を詠んだ詩で
あまりにも長い間山中にいたため、来た道を忘れてしまった、ということですが
真意は、修行をして悟りを自分のものにしたならば、そこまでの過程はすべて忘れてしまえ
ということだそうです。
修行の跡が体に残っているうちはまだ本物でない。
それが消え去ったところに真の自在がある、と教えています。
たとえば仕事「これだけやったのに、何故できない」
たとえば恋愛「これだけ尽くしているのに何故」
とか思っているうちはダメということですね。
わたしの解釈はまだこの程度です…。