香りの世界 巻の四

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『薔薇のパルファム』 蓬田勝之 著  2005年4月28日刊  株式会社求龍堂

世界で初めて薔薇の香りを6タイプに分類した香料分析のエキスパート。

今年3月 資生堂を退社され現在は「パヒューマリー・ケミスト」としてご活躍されています。

資生堂の「ばら園」シリーズをご存知の方が多いのでは。

巻頭を写真家 石内都さんの薔薇の写真で飾っています。

わたしはカラーよりむしろ白黒の薔薇の写真に惹かれます。

香りの歴史から、ばらの香りの分類までの道のり、香りに関するエッセイ風の文など

とても読み応えのある一冊です。

「今日の現代薔薇は、姿や花色の視覚的な美を追究するあまり、香気の質を追求する育種が
少ないように思われる。しかし、原種やオールドガーデンローズの中には、まだまだベールに
包まれた芳香種がある。香り分析やアロマコロジー研究を育種研究に導入・応用することで、
次世代に有益で付加価値の高い芳香観賞薔薇を開発することもできるだろう。芳香種のシンボル
とも言える「芳純」を世に出した鈴木省三さんの夢を、今後も続けていこうと思う。」



新潟県長岡市にある「国営越後丘陵公園」のばら園は7つのエリアに分かれています。

◎香りのエリア
◎色彩のエリア
◎殿堂入りしたばらのエリア
◎原種・オールドローズのエリア
◎イングリッシュガーデン
◎日本の野生ばらのエリア
◎国際香りのばら新品種コンクール試作場

そのうちの「香りのエリア」は蓬田さんのご協力のもと造られた、

世界で初めての芳香分類のばら園です。

○ダマスク・クラシックの香り
  一般に「ばらの香り」と言われる古典的な香り

○ダマスク・モダンの香り
  クラシックの香りを受け継ぎながら、情熱的で洗練された香り

○ブルーの香り
  ブルーの花色を持つ青バラ系の品種の香り。ダマスク・モダンとティーが混ざった香り

ティーの香り
  その名のとおり、紅茶の香り

○スパイシーの香り
  ダマスク・クラシックの香りが基調ですが、スパイスの香りが強く感じられます

○フルーティーの香り
  全ての香り成分がバランスよく入っています。ピーチやアプリコット・アップルなど
  新鮮な果実の香り

以上6種類に分類されます。

来年の6月には越後丘陵公園にお運びくださり

ばらボランティアの皆さんが丹精込めてお世話しているばらの香りを

是非、直接「体感」してくださいね☆

国営越後丘陵公園 http://www.hrr.mlit.go.jp/echigo/

ばらボランティアさんのブログ
ばらボラ・ECHIGO http://barabora.exblog.jp/