利休道歌 83

一点前点るうちには善悪と 有無の心のわかちをも知る

なかなか難しい教えです。

ひと点前中、体の構えも、柄杓の構えも、茶杓茶筅・茶入の取り扱いなどすべて

最初に柄杓を蓋置に引いたときから、最後に柄杓を蓋置に引くまで

無我夢中になりなさい、ということでしょう。

自分のお点前の上手・下手、誤りがないか、他人から褒められたい

笑われたくないなどということが、お点前中 頭から去らないのは

有心すなわち妄心なのだそうです。

ただ一心に、お客さまにおいしいお茶を点ててさし上げることだけを考えて

お点前すれば少しは近づけるかしら…。