陰陽五行の部屋 ― 伝統文化と陰陽五行 茶道

茶道 2

竹台子や真台子には陰陽五行が顕著に表れています。
天板は天 地板は地 四本の柱は東西南北や春夏秋冬を表しています。

裏千家の行之行台子伝法では竹台子と八卦盆(はっけぼん)を使います。
八卦盆は丸盆で太陽を表し、真塗りに螺鈿で八つの卦が細工されています。
この盆の手前に火・南の卦 反対側に水・北の卦が来るように
竹台子の天板中央に置きます。

地板の上には土風炉と杓立てと水指の「土」 釜や唐銅建水・火箸の「金」
釜や水指の中の「水」 風炉中の「火」 炭の「木」 台子と水指しの蓋の「木」
の五つの要素がバランスよく配置されています。
行之行台子では五種のお菓子が出されますが、これも五行にちなんだ数でしょう。


茶道の棚物のなかには陰陽五行の理にかなった棚が多くあります。
五行棚(11代玄々斎好み)方円卓(14代淡々斎好み)
などはその典型です。

五行棚は地板に土風炉を据えて中置※用として使用され、天板(乾)と地板(坤)に
棚・炭の「木」 風炉中の「火」 土風炉の「土」 釜の「金」 釜の中の「水」
の五行を納めることから付けられた名称で、台子と同じ扱いになります。

方円卓は天板が円形で、地板が方形で陰陽の形をとっています。

陰陽五行を頭の片隅においてお稽古すると、新たな発見があるかも。

※中置 風炉点前の際、道具畳の中心に風炉を置くこと。
    十月初旬から開炉までの時期に行う。
    火気が恋しくなる時季に、お客さまの方へ風炉を近づけ、
    反対に水指を勝手付きの方へ遠ざける心尽くしの扱い。