最後の「初釜」

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昨日は社中として最後の「初釜」でした。
「初釜」とは新年を祝って正月にはじめてかける釜のことで
稽古初め、点初めとも言います。
一時「初釜」はお家元でのみ使う言葉で、一般には「点初め」と言いなさい
と聞いたことがありますが、現在はあまり厳しく言われないようですね。

わたしの先生は昨年「米寿」のお祝いをなさり
それを機にお稽古をおやめになると決心されたようです。
ですから昨日は「最後」の初釜となったわけです。
例年、別の場所で行っていましたが
今回は先生のご自宅(稽古場)で和気あいあいと
のんびり、ゆっくりと初釜を楽しみました。
わたしは「初炭」をさせていただきました。
お手前は上手にできませんでした・・・。ちょっとショック・・・。
でも炭はよくおきて、お濃茶・お薄は熱いお湯でおいしくいただけたから
良かったかな・・・。

島台のお茶碗※でお濃茶。
お薄は皆が交代で点てました。

画像は先生からいただいた黒楽茶碗。
26年間、お稽古で使わせていただいた物・・・。
皆にお稽古で使っていたお茶碗を、一碗ずつ渡してくださいました。
大変ありがたく、嬉しかったです。
が、本当に先生はお稽古をやめておしまいになるんだな、
と感じて淋しくもあります。
お稽古用の歴代宗匠茶杓を模したものも1本ずついただきました。
わたしは「一燈斎」。

これで全く先生とのご縁がなくなるのも淋しいですし
他の先生につく、ということもしたくないので
月に一度、奥伝という上級のお点前のお稽古をお願いしたい、
皆で無理にお願いして、先生は承諾なさってくださいました!
良かったぁ~♪

※島台 口が開き、内側に金・銀の箔を置いたお茶碗。
正月など縁起を祝う茶事に金・銀二碗重ねて運び出す
「重茶碗」というお点前に用いられる。

ちなみに文中に「お手前」「お点前」二通りの表記がありますが
炭をつぐのは「お手前」・お茶を点てるのは「お点前」と書きます。