宗恵の『一日一禅』 231

好雪片片(こうせつへんぺん)


中国宋代の禅の書『碧眼録』に載っているお話です。

ホウ居士が今の湖南省にある芍薬山の薬山惟儼(やくさんいげん)を訪ねた帰りに

ひらひらと落ちてくる雪を指差しながら、見送りの惟儼の弟子たちに言いました。

「好雪片々、別処に落ちず(見事な雪だ、一片として違う場所に落ちるものはない)。」

それを聞いた一人の修行者が言いました。

「それはどこに落ちるのですか?」

ホウ居士はその男に一発平手打ちを食らわせたのです。

あらゆる現象が一つの真理に中に帰入することを雪に託して述べたのに

それに気づかない修行者の愚かさにホウ居士は憤慨したのだそうです。

たぶん、その修行者はその平手打ちで悟って、立派なお坊様になられたのではないかしら?

わからないことは、やはり聞かないとダメですよね。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥

ちょっと今日の禅語本来の意味のお話とは違いますが、そんなことを思いました。

自然の現象をパッと禅の神髄のお話になさるホウ居士。

自然の中から真理を学ぶことがいかに大切か…

自然を破壊しているから今の社会、おかしな事ばかり起こるのですね。