宗恵の『一日一禅』 229
市民呈茶席に掛けられていた句です。
お釈迦様がある日、金波羅華(こんぱらげ)という天上の妙花一枝を持って
説法の座に登られ、無言のまま大衆を見回され、その花を皆の前にグッと差し出されました。
ありがたい説法が始まるものと、かたずをのんで待っていますが
黙って花を差し出されただけですので、一同ポカンとしていました。
その中で、一番弟子の迦葉(かしょう)尊者だけがニッコリと微笑まれたのです。
この迦葉の微笑をご覧になったお釈迦様は
「吾れに正法眼蔵涅槃妙心実相無相微妙の法門あり。
不立文字、教外別伝なり、摩訶迦葉に付嘱す。」
と申されました。このようにして、お釈迦様の教えは迦葉尊者に伝えられたのです。
ちなみに「拈」とは「ひねる・ねじる・つまむ」の意味です。
大事なことはお話したり文字に書いててもわからない。
常日頃のお釈迦様の行動を見て理解すること…簡単に言えばそのようなことでしょうか。
これは茶道についても同じですね。
でも、ちゃんと書いておかないと…お点前忘れちゃう…。