宗恵の『一日一禅』 184

昨夜一聲雁(さくやいっせいのかり)


中国宋代の詩話集『詩人玉屑(しじんぎょくせつ)』の中の

「昨夜一声の雁 清風万里の秋」

から採られた、本格的な秋の訪れを告げる句です。

万葉集』に収められる聖武天皇の歌

「秋の田の穂田を雁が音闇けくに 夜のほどろにも鳴き渡るかも」

からもわかるように、雁は古くから秋の風物詩となっていました。

魂を運ぶ常世の国の鳥と信じられていたことから

その声は多くの人々に賛美の心をもって迎えられたといいます。

『淡交テキスト 茶席の禅語 9月』参考

魂を運ぶ鳥なんですね…。

お彼岸に入り、我が家には知人・親戚が入れ替わり立ち替わりお見えになります。

つい先月、お盆にお見えになったばかりなのにね…と思いますが

それだけご先祖様を大切にしている、ということで喜ばしいことですね。

「人がたくさん集まる家は良い家」ということにしておきます。