宗恵の『一日一禅』 155

風送鐘聲来(かぜしょうせいをおくりきたる)


知らず何処の寺ぞ 風鐘声を送り来る

どこのお寺で打ち鳴らされているのかわからないが

鐘の音が風にのって身近に聞こえてくる

という情景を描いた詩からとられた句です。

夕方でしょうか、なんとなく郷愁を誘いますね。

「梵鐘」は時を知らせて人を集めるという役割の他に

その音によって人々の迷いを払い、仏道に帰依させて極楽浄土に導く

という働きがあるそうです。

すぐに思い浮かぶのが108つ打ち鳴らす「除夜の鐘」ですね。

こちらではお寺の鐘の音を聞くのも、それこそ大晦日しかないようですが

この句を見て、お寺の鐘の音を聞きたくなりました。

普段でもお寺の鐘は鳴らしているのかな…。