宗恵の『一日一禅』 111

鳥啼山更幽(とりないて やまさらにゆうなり)


唐宗八大家の一人で、仏教や老荘の思想にも造詣が深かった

王安石の『山居』と題する詩の一節です。

  風定まって花落ち
  鳥啼いて山更に幽なり

吹き荒れていた風がようやく収まり、咲いていた花も散ってしまった。

森の奥で鳥が鳴き山の静けさだけが更に深まる。という情景が描かれています。



今の季節、わたしの家の近くでカッコーの鳴き声が聴こえてきます。

確かカッコーは渡り鳥のハズ。

こんな住宅街のどこに巣を作っているのかしら、と不思議に思います。

毎年、日記に「今日、カッコーの鳴き声を聴いた」と付けていますが、6月初めの週ですね。

目をつぶって聴いていると、まるで山の中にいるようです。

鳥の鳴き声一つで、心が癒されます。