宗恵の『一日一禅』 54
唐の時代に崔護という人がいました。
ある年の晴明節(二十四節気のひとつ、4月5日ごろのこと?)に郊外を散歩していて
立ち寄った家で優しい女性と知り合い、楽しいひと時を過ごしたそうです。
一年後、崔護が再びその家を訪れてみると門が固く閉ざされていたので、
詩を書き付けて帰りました。
去年の今日、此の門の中
人面桃花相映じて紅なり
人面は知らず、何処にか去るを
桃花旧に依りて春風に笑む
人面桃花相映じて紅なり
人面は知らず、何処にか去るを
桃花旧に依りて春風に笑む
会えなくて残念だったけれども、桃の花だけは去年と変わらず春風の中で美しく咲いている。
と詠んだ詩の一部を採ったのがこの句です。
とても可愛らしい句なので選んでみましたが、なんだか色っぽいですね…。
禅語の本に載っていたのですが…。