宗恵の『一日一禅』 50

山深雪未消(やまふかくしてゆきいまだきえず)


わたしが住んでいる市は飯豊山から合併により日本海までの広い範囲にあります。

家の周りはすっかり雪も融け、今日は春の陽射しが気持ちいいです。

しかし目を山に向けるとまだ多くの雪に覆われています。

この句は「釈尊の悟りの記念日にあたって何か良いことがありましたか」

と聞かれたときの虚堂智愚禅師(日本臨済禅の祖・中国南宋の僧)の答です。

記念日と言っても何も特別なことがあるわけでなく、この山奥で一日一日季節の移り変わりを

見ながら暮らしているだけだ、と答えました。

日々普通にあるがままに暮らすことの大切さを説いているのですね。

凡人のわたしは、せめて記念日は…と期待してしまいますが

まだまだ修行が足りん、ですかね。