宗恵の『一日一禅』 45

陽春布徳澤(ようしゅんにとくたくをしく)


中国唐代以前の民謡風の詩『古楽府(こがふ)』の中に

「陽春に徳澤を布き 万物光輝を生ず」というのがあります。

皇帝からの恵みを受けて多くの人が喜んだ、というのが本来の意味ですが

明るく暖かい春を迎えて陽光の恩恵を受け、すべてのものが輝きを放っている、と解釈しましょう。

冬の眠りの中にあった万物に、新たな生命力を与える春の陽光こそが

豊かな「徳澤―めぐみ―」なのです。

雪国で生活していると、本当に陽の光のありがたさを実感します。