宗恵の『一日一禅』 27

栴檀葉葉香風起(せんだんようようこうふうおこる)


栴檀の木から放たれる芳香が風邪に乗って当たり一面に漂い

まわりのあらゆるものを優しく包み、移り香を残していく様子を表しています。

修行も師匠から発せられる「芳香」を嗅ぎ分けて、常にそれに接するようにしていれば

自然に「薫陶」されて自分自身もその香りに染まることができるわけです。

「薫陶」って素敵な言葉ですね。

その香りを嗅ぎ分ける力を身につけることもまた大切ですが…。

それが「求心(ぐしん)」というそうです。

ここでいう「栴檀」は「栴檀は双葉より芳し」のいわゆる白檀のことで

日本でいうセンダンとは全く別種だそうです。

香りを呼び起こす禅語って、普通の禅語より心がすーっとなる気がします。