宗恵の『一日一禅』 24

梅花莟有香(ばいかつぼみかおりあり)


ふくらみ始めた梅の蕾が良い香りを漂わせ始め、まわりの草木や生物を目覚めさせるかのようです。

わたしたちの心も春のウキウキした気持ちになります。

雪に閉ざされた厳しい冬を乗り越えて、その芳香にめぐり会えた喜びを表した句です。

長く厳しい冬を過ごし、暖かい春を迎えることは

長い修行の末に悟りを得ることにたとえられます。


「香り」の記憶というものは他の記憶と違って

ふとその香りをかいだ時に妙に生々しくよみがえってきませんか?

沈丁花は新潟では4月の始め頃に香ってきますが、東京では3月の卒業式の頃ですよね。

沈丁花の香りに中学時代の卒業式を思い出します。