宗恵の『一日一禅』 7

不二 (ふじ)


富士山は二つとない、及ぶもののない山であることから「不二」と表され

永遠に尽きることのない山であることから「不尽」と表されることもあります。

どちらにしても、富士山は初夢の第一にも挙げられるように

新年に欠かすことのできない、おめでたい山ですね。

仏教用語として用いられる「不二(ふに)」は重要な意味をもっているんです。

わたしたち身の回りのものを、自他・老若・善悪・苦楽・美醜などのように区別し

その一方に執着して苦しんでいる…。

しかし、それらの対立を離れたところに真実の世界があるとするのが

この「不二」の考えだそうです。


わたしの好きなものに「東京タワー」がありますが「富士山」も好きです。

中学時代、吹奏楽の朝錬に行くと

晴れた朝には東京でも4階の音楽室から「富士山」がハッキリ見えて

「今日一日がんばるぞ~」と力を与えてくれました。

学生時代、満員電車の中から「富士山」が綺麗に見えたとき、となりのおじさんが

「あっ、富士山。」とつぶやいた声が、今でも耳に残っています。