利休道歌 61

いにしへは夜会などには床の内 掛物花はなしとこそきけ

「いにしへは」というのは、利休以前のことです。

その時代は、夜の茶会の場合、床には掛物も花も用いませんでした。

かすかな燈火では、掛物の字も読めないし、花もその影が壁に映ってうるさいからです。

しかし利休以後は、掛物はかすかな燈火でも読める大字のものや

逆にごく細字のものを掛けます。

えっ、とお思いでしょうが細字の場合

客は手燭を持って床の上にあがり、読む事が許されています。

また花は、白い花なら生けてもよいことになっています。

赤い花、黄色い花はいけません。燈火によって色が変わるからだそうです。

取り合わせによっては「白ばら」ならいいのねぇ☆

夜咄の茶事だとお酒をいただいても

顔が赤くなるのがわからなくていい、って方もいらっしゃるのでは・・・。

花のかわりに、石菖鉢や盆石をかざることもあります。

石菖は、燈火の油煙を消す働きがあるといわれています。

すすくさい油のにおいがスーッと消えるような感じがするそうです。