利休道歌 58
暁は数奇屋のうちも行燈に 夜会などには短ケイを置け
茶の湯で使用する照明具は、行燈(あんどん)・短ケイ(たんけい/敬の下に木と書いてケイ)
手燭などがあります。
行燈は火のともる周囲を枠で囲み、それに紙が貼ってあり、中に火をともすので「間接照明」
短ケイは燈火をそのまま見せます。
ですから行燈は「陰」 短ケイは「陽」の燈火になります。
「数奇屋」とは茶室のことです。
「暁」は「暁の茶事」のことで、夜の明けきらぬ午前4時ぐらいのご案内です。
茶事が進行するうちに、夜が明けあたりが明るくなり「陽」になるので
燈火は反対の「陰」の行燈を使います。
夜会とは「夜咄の茶事」のことで、まだ暮れて間もない頃から始まって
夜にかかります。陽から陰に移るので、燈火は「陽」の短ケイを使うわけです。
今は電燈を使うので夜でも明るいですが、たまには行燈や短ケイも風情があるものですね。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)って本当にいるんだなぁ、と感じるかも・・・。