陰陽五行の部屋 ― 祇園祭と陰陽五行

きょうは宵山。あすは山鉾巡行と土・日と重なりたくさんの人出でしょう。
親戚が鉾町に住んでいるので、何回か遊びに行ったことがありますが
観光と違って、実際に生活している方たちの祇園祭はうらやましいなぁ、と思います。


祇園祭京都市東山区の八坂神社(もとは祇園社)で7月1日から29日まで行われます。
昔は旧6月7日の神輿迎と14日の御霊会(ごりょうえ)に山鉾がでました。
明治以前までは祇園会(ぎおんえ)といわれ、
さらに中世以前には祇園御霊会と呼ばれていたそうです。

この祇園御霊会は869年に疫病が大流行し、卜部日良麿(うらべひよしまろ)が
これを牛頭天王(ごずてんのう)のたたりとして
神泉苑の水辺で禊祓(みそぎはらい)を行い、悪疫の消除を祈ったのがはじまりとされます。

牛頭天王とは、インドの祇園精舎の守護神と中国の陰陽道とが習合した神で
日本ではさらにスサノオノ尊と習合した神格です。
疫病を除去する強力な神とされていました。

祇園祭を陰陽五行で説明いたしますと
酷暑は悪疫を流行させるものですから、
暑い未の土用の月の祭の7月17日に牛頭天王を祀り
「火気の中和」をするのだそうです。

またいつも巡行の先頭をいく長刀鉾
大長刀で行列の妨げとなる邪霊をはらう意味があります。
長刀鉾の天井には、太陽が天球上を移動する道に沿って並んでいる
28の星座をあらわす二十八宿が描かれ、全宇宙がここに凝縮されていることを
示しています。

ただ、きれいだな、すごいな、とながめていた祇園祭ですが
その根本もまた陰陽五行だったのですね。