数にまつわるお茶の話 「四」

「四滴(してき)」

今日はオーソドックスに茶道具のお話です。

「四つ茶器」ともいいます。
弦付(つるつき)・手瓶(てがめ)・油滴(ゆてき)・水滴(すいてき)
の四種類を総合しての名称で、個々に使用します。
陶磁器で薄茶器または替茶器(かえちゃき/控えや補給用として用意する茶器)
に用いることが多いです。

弦付  茶器の両肩から弦状の手がついた形。

手瓶  口も弦もなく、手だけがついている茶器。

油滴  元は油を入れた、口のついた調味料入れのようなもの。

水滴  文房具の一種。硯の水を入れておく水入れ。
    古くは書院飾りに用いられた。
    足利義政が水滴を御物とし、初めて茶入れに用いたといわれる。
    初めは唐物を用いたが、瀬戸で多く焼かれた。

元々は皆それぞれの目的で作られた容器ですが、茶器に見立てたのでしょう。
今では四つ一組で作られていて、どれにでも合う象牙の蓋が一つついて売られています。

お点前では、それぞれ微妙に扱いが違っていて、「あれ、これはどうだったかしら?」
といつも先生にお聞きします。

お仕覆に入れてお濃茶のお茶入れに使われることがあるそうですが
実際に見たことはありません。