「る」・・・呂宋(るそん)

フィリピンのルソン島から渡来したと伝えられる陶磁器の総称。
南蛮水指などもその一種と考えられますが、一般的には四耳ないし三耳の付いた壺をいいます。
もっともルソン島産とするのは誤りで、中世の貿易船がルソン島経由で来たからにすぎません。
当時わが国の茶道界では、それらの壺を葉茶壺として珍重しましたが、
本来は酒・香料・薬草などの容器だったと思われます。
材質や形状から考えると、原産地は中国南岸の福建・広東あるいは北ベトナムあたりの雑器窯と推定されます。
いずれも細かい鉄分を含んだ土で薄作りにし、黄褐色ないし黒褐色の渋い釉をかけています。
わが国ではそれらを真壺・清香・蓮花王などに類別しました。
真壺を除く二つは肩にその文字が刻まれています。