宗恵の『一日一禅』 234

一鉢千家飯(いっぱつせんかのめし)


一椀の鉢の中は、数え切れない人々から施された飯で満たされている、という

托鉢による乞食行(こつじきぎょう)の様子を表しています。

初期の仏教教団においては出家修行者による生産活動が禁じられていたので

毎日の食事はすべて信者からの施しに頼っていました。

現代でも禅道場ではしばしば町に出て施しを乞います。

「千家の飯」に多くの信心に感謝し、力づけられ修行に励むことができるのですね。

わたしたちも、決してひとりで生きているのではなく

目に見えない多くの力に支えられ、励まされていることを忘れてはいけませんね。