宗恵の『一日一禅』 222

北斗裡蔵身(ほくとりにみをかくす)


「北斗」とは北斗七星のことです。

北斗七星は天の中心とされている天の北極近くに位置することや

空にほぼ一年中その姿を現していることから、古来人々の尊崇の対象となってきました。

天に昇ってその北斗七星の中に身を隠すという

分別や常識を超えた自由自在な働きを表す言葉です。

中国唐末五代の禅僧、雲門文偃(うんもんぶんえん)は仏の本体について問われた時の答えとして

この句を用いたそうです。

よく亡くなった人は「お星様になって、いつも空から見守ってくれるんだよ」

と言われますが、自分を守ってくれる仏は実は身近にいて

振り返ると北斗七星に隠れるのかも…。