宗恵の『一日一禅』 220

聴雨寒更盡 開門落葉多(あめをきいてかんこうつき もんをひらけばらくようおおし)


「推敲」の故事で知られる唐代の詩人賈島(かとう)の従弟で

詩僧として名高い無可の作

「秋従兄賈島に寄す」と題する詩の一節です。

一雨ごとに寒くなるこの時期、寒さに震え雨音を聞きながら一夜を過ごし

朝 門を開いて見るとあたり一面、落ち葉に覆われていた

という光景を描いた句です。

前後の句がどういうのか、実は知らないので

禅的解釈ができるのかどうかわかりませんが

晩秋の情景から、人間が何もしなくても

季節は自然に移ろっていくもの…

人間ではできない自然の力を感じることの大切さを認識する

ということなのかなぁ、と思います。