宗恵の『一日一禅』 175

月落不離天(つきおちて てんをはなれず)


『五灯会元(ごとうえげん)』という中国南宋代に成立した禅宗の灯史(仏教界における歴史書)にある

「水流れて元海に入り、月落ちて天を離れず」からとられた句です。

水はどこを流れても結局は海に帰し、月は西の空に沈んでいっても天を離れることはない。

という意味です。

わたしたちは外見や性格が様々で同じではありませんが

清らかな仏性を持っている点では全く差別はない

という仏教の真理を表しているそうです。



皆、一様に清らかな仏性を持っているはずなのに

どこでどうその仏性を失ったのか

わずか19歳でお友達を殺して、自らの手で死んでしまった男の子…。

わたしの長男が高専の出身ですので、この徳山高専の事件は本当にショックでした。

徳山高専長澤まさみちゃんが主演した映画『ロボコン』の舞台となった学校です。

19・20歳という人生で一番光り輝いている時にこんなことになってしまって…。

あらためて歩さんのご冥福をお祈りいたします。合掌。