堀口捨己 手作りの茶杓

5月3日は電車に乗って大阪府池田市にある逸翁美術館に行きました。

「逸翁」とは小林一三の雅号です。
翁は明治6年(1873)、山梨県韮崎市に生まれ、生まれた日をとって、
「一三」と名付けられました。明治・大正・昭和の実業界で活躍し、阪
急電鉄をはじめ、阪急百貨店、東宝などの阪急東宝グループを起こし、
太平洋戦争直前の難局に商工大臣を、戦後の混乱期に国務大臣兼復興院
総裁を歴任しました(逸翁美術館HPより)。

3日の記事にも書きましたが特別展は ー王朝の息吹ー歌ごころの世界 でした。

こちらの美術館にある茶室「即庵」では土曜・日曜・祝日にお茶席があります。
三畳台目のお茶室をぐるっと囲むようにして、椅子席があります。
正座の苦手な方も、全くお作法をご存じない方も楽しくいただけます。
毎回その時の特別展にあったお道具組みで、逸翁ゆかりのお茶碗でいただけるんです!

今回は六歌仙の掛け軸。
花入れが、あの佐竹本三十六歌仙を分断して誰がどれを取るか、
というクジを入れた竹筒の残りの竹で作った掛花入れなんです。
主茶碗は琵琶の絵の膳所焼。
次客のお茶碗は粉引きに舟の絵が描かれたものなんですが
どなたの作か忘れました…。
両方とも逸翁と同世代の作家で、折にふれて自分好みのお茶碗を作ってもらったそうです。
茶杓は堀口 捨己手作りの銘「フルサト」
ちゃんと筒には小林一三さんへ送ると歌を詠んでいます。
手にとって拝見させていただきました。
堀口 捨己(ほりぐち すてみ、1895 年1月6日 - 1984年8月18日)は、日本の建築家。ヨーロッパの新しい建築運動に心惹かれ、従来の様式建築を否定する分離派建築会から出発。しかし日本の数寄屋造りの中に美を見出しました。

一席500円なのですが、それ以上の価値がありました。

それにしても記憶力の低下…。お道具を覚えていられると思ったのに…。
今度からちゃんと茶会記をつけなくっちゃ…。