宗恵の『一日一禅』 73

庭前柏樹子(ていぜんのはくじゅし)


趙州(じょうしゅう)和尚にある僧が尋ねた。

達磨大師がインドから中国に来て伝えようとしたものは何ですか?」

趙州は答えました。「庭先の柏の木(庭前柏樹子)だ」

「老師、そのような外にあるもので示さないでください」

「私はそんなことはしていない」

「それではもう一度お答えください」

「庭先の柏の木だ」

禅問答の典型的な例ですが、修行を少しでも修めれば達磨大師が伝えようとしたことがわかるそうです…。

仏法の真髄というものは、特別なものでなく、たとえば庭先に植えてある木のように

わたしたちの身の回りのあらゆるところに満ち溢れているよ、ということでしょうか。