宗恵の『一日一禅』 59

春色無高下(しゅんしょくこうげなし)


「春色高下無く、花枝自ずから短長」の上の句です。

この言葉には「平等の中の差別」が表されています。

春の陽射しは長い枝短い枝に関係なく、みな平等に降り注いでいる、ということです。

世の中には様々な人がいますが、仏の威光は皆平等に満たしています。

新約聖書』の中に

「父は善人にも悪人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせる」

という表現があるそうですが、これと同じような意味ではないでしょうか。