宗恵の『一日一禅』 36
冬も終わりに近づいたある日、庵から外に出てみると、早くも梅の花が開いているのに気がついた。
しかし残雪はまだ深く、町へ出る道は閉ざされたままだ。
暖かい春は確かにそこまできているけれども、
まだしばらくは冬と同居しなければならないという情況である。
私たちは等しく仏性を持っており、ふとした機縁でそれを自覚することがある。
その目覚めの心を絶えず磨いていけば真の悟りに近づいていけるのだが、
長い間に降り積もった煩悩という雪に閉ざされてなかなか前進できない。
だから不断の努力でその雪を除かなければならないのである。
どうも風邪をひいてしまったのか、頭がハッキリしません。
きょうはズルをして『淡交テキスト 茶席の禅語 2月』より転載いたしました。