宗恵の『一日一禅』 12

松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)


昨日は松竹梅の梅でしたので、今日は松。

松は冬の寒さの中でも、その翠色を失いません。

「松樹千年の翠、時の人の心に入らず」

すなわち、松が幾多の風雪に耐え緑を保ち続けている堅固さに

世の人は気がつかない、という句からとられた言葉です。

いつまでも変わらない松の緑に託して、長寿や多幸を祈るおめでたい席に掛けられます。

この句でおめでたい気分になったあとで、この次の句「時の人の心に入らず」の意味も

よく考えなければなりませんね。

普段何気なく見ている風景の中に、真実が隠されている…。

大切な事はすぐ近くにあるんだよ、ということでしょうか…。