利休道歌 68

帛紗をば竪は九寸よこ巾は 八寸八分曲尺にせよ

この帛紗の寸法は、利休の奥様の宗恩が定めたと言われています。

利休時代までの帛紗は今の古帛紗のようなもので、和巾(わきん)と言っていました。

昔の帛紗ということで「古帛紗」というわけです。

利休が秀吉に随行して、小田原征伐に出発するとき、宗恩が紫の裂に薬を包んで渡しました。

その裂の寸法を利休が気に入って、茶の湯の帛紗にしたそうです。

竪というのは「わさ」のあるほうで九寸、上下の縫い代のあるほうが横で八寸八分です。

ですから帛紗は正方形ではありません。