利休道歌 60

燈火に油をつがば多くつげ 客にあかざる心得と知れ

夜咄の茶事には、燈心も長いものを用い、油も油皿になみなみとつぐのは

お客さまにゆっくりと留まっていただくためです。

利休が夜の茶会を催して、夜も更け燈火が細々となったので、水屋の者を呼び

油を短ケイに加えさせたが、八分くらいしかささなかったので

「宵の間にこそ油もさまで多からぬがよいが、夜更くれば十分にさすものである。

これぞ心おきなく、いつまでも話されたいと、客をもてなす第一の心掛けとなすものである。」

と教えたそうです。

夜が更けるにつれて燈火を暗くしたのでは、お客さまが居づらくなります。

お客さまにこんな気持ちを抱かすようでは、真のおもてなしにはならないでしょう。

でも、今の時代電燈の明かりでは関係ないですね。