利休道歌 50
茶入より茶掬ふには心得て 初中後すくへそれが秘事也
「初中後」は、はじめ・なか・あとと読むのではなく
「しょちゅうご」と読みます。
お濃茶点前の時、茶入から茶碗に茶を入れる時
初めに3杓すくい入れて、後は回し出しにしますが
ただ3杓すくえば良い、というのではありません。
そのすくい方に「初中後」があるのです。
初中後のことを「序破急(じょはきゅう)」ともいいます。
初めは少しすくい、2杓目は初めより少し多くすくい、3杓目は最も多くすくいます。
三度とも、同じ量ではおもしろくありません。
「能」にも「序破急」の教えがあるそうですが、
これも同じテンポではおもしろくないからだそうです。
お料理の調味料でもそうだと思うのですが、初めから多く入れるとよくありません。
次第に多くするのが良いということです。