利休道歌 49

喚鐘は大と小とに中々に 大と五つの数をうつなり

喚鐘(かんしょう)とは座敷の書院の天井などにつるしてある釣鐘形の小振りの物で

夜咄の茶事(よばなしのちゃじ/冬季に日没から夜間に催す茶会)のときに、

後入(ごいり/懐石が終わった後、いったん席から出ていただき、お濃茶の準備をして
再び席に入っていただくこと)

の合図に喚鐘を打ちます。

その打ち方は「大小中中大」と5点打ちます。

喚鐘は打ち方であまり音が変わらないので

大の余韻を聞いて小を打ち、中中と続けて打って、余韻が消えたら大を打つ

とすれば、わかりやすいということです。

正午の茶事では銅鑼(どら)を使います。

陰陽五行の考え方で昼間な陽なので、陰の銅鑼を用い

夜は陰だから、陽の喚鐘を用いるわけです。