利休道歌 44

茶入又茶筅のかねをもよく知れ あとに残せる道具目当てに

茶入を置く位置は、茶を茶碗に入れるときに持ち上げ、また元の位置に戻します。

茶筅の位置は、茶筅通しや茶を点てたあと、また元に戻します。

この時、ちゃんと元にあった位置におくことが肝心です。

茶入を持てば、茶筅を目当てに置き合わせ

茶筅を持てば、茶入を目当てに置き合わせる、ということです。

持つたびに位置がずれてくるのは、見よいものではありませんね。

「かね」というのは置く位置のことです。「曲尺割」(かねわり)といいます。

利休の見聞や心得をまとめた『南方録』によくこの言葉がでてきます。

それだけ利休さんは「置く位置」にこだわったのでしょう。