利休道歌 33

墨蹟をかける時にはたくぼくを 末座の方へ大方はひけ

墨蹟とは大燈国師とか一休禅師などの高僧が、禅語を書いた掛け物のことです。

この歌は墨蹟だけでなく、すべての掛け物にあてはまります。

「たくぼく」とは「啄木」と書き、石川啄木の「啄木」です。

キツツキの意味ですが、お茶の世界では

掛け軸の釘にかける部分(掛緒)と掛け軸を巻く紐(巻緒)のことを「啄木」といいます。

掛け物を床の間にかける時、その巻緒を末座すなわち下座にずらすということです。

茶席の上座・下座をどのようにして見分けるか?

自分が床の前に座り茶道口が左にある場合、茶道口がある側即ち左が下座になります。