利休道花 19

文琳や茄子丸壺大海は 底に指をばかけてこそ持て

前の歌の逆ですね。

肩衝の茶入は、たいてい背が高いので、中次のように横から持ちます。

「文琳(中国産のリンゴの意味)」は丸く小振りです。

「茄子」は下の方がふくらんだ茄子のような形をしています。

「丸壺」はその名のとおり丸い壺です。

「大海」は平べったく、口が大きい茶入です。

このような小形の茶入を持つときは、

肩衝のように横からは持ちにくいですし、見た目もよくありません。

ですから小指を底にかけた方が良いのです。

見た目もきれいですし、安全です。

茶入の下のほうの釉がかかっていないところ(土見)や底(畳付)は

手の油がつくので触ってはいけない、と勝手に思っていましたが

そうではないのですね…。