利休道歌 17
薄茶入蒔絵彫もの文字あらば 順逆覚え扱ふと知れ
薄茶器は、真塗やため塗の無地ばかりではありません。
蒔絵の施されたもの、堆朱・堆黒・鎌倉彫のような彫物
詩中次のように、中次の蓋から胴にかけて漢詩が書いてあるもの
和歌のちらし書き蒔絵のように、蓋から胴にかけて文字の書かれているものなどがあります。
このような薄茶器を用いる時は、
蓋と胴との合い口をあらかじめよく見定めておき、
蒔絵が合わなかったり、文字が蓋と胴でつながらなかったりしないように
注意しましょう。
これは点前をする亭主だけの心得でなく、
お客さまになっても、よく見定めてから拝見するようにいたしましょう。
「順逆覚え」とは順番を逆にするという意味でなく
順…定まった位置 逆…あらかじめ (『日本語大辞典』講談社刊より)
という意味とわたしは解釈したのですが、たぶんあってるかな・・・。