利休道歌 14

よそにては茶を汲みて後茶杓にて 茶碗のふちを心してうて

はじめたばかりのお稽古のお茶筅通しや、お茶杓でお茶を入れた後

「そこでコツンとして」と言われたと思います。

でもそれは便宜上で、本当は注意しなければなりません。

お茶碗が高価なものでなくても、

茶杓についたお茶の残りを払うために、茶杓でお茶碗の縁を強く打ってはいけません。

年代を経た茶碗や金継されているお茶碗は

ちょっとのことで粗相が起こってしまうことがあります。

細い茶杓ですと、強く打つと節のあたりから折れることもあります。

お稽古の時から注意していれば、よその家でお点前を頼まれても

いつものとおりに扱えば粗相は起きません。

この歌は、お茶杓で茶碗の縁を打つときだけの心得でなく

茶筅通しや茶碗を拭くときなど、お道具を扱う動作すべてにあてはまると思います。

「心して扱う」お茶のときだけでなく、日常の動作も心して行わなくては!