利休道歌 91
茶の湯をば心に染めて眼にかけず 耳をひそめてきくこともなし
昨日からずっとこの意味を考えています。難しいです。
「教外別伝 以心伝心 不立文字」という禅語があります。
奥義は教えようもなし、また習いようもない。自分で求め、自分で得なければならない。
というようなこと、と思います。
この歌はまさにそのことを教えているのではないでしょうか。
謡曲「法下僧」の一節に
吾らが宗體と申すは 教外別傳にして 言うも言われず 説くも説かれず
言句に出せば教に落ち 文字を立つれば宗體に背く
たゞ一葉のひるがへる 風の行方をご覧ぜよ
言句に出せば教に落ち 文字を立つれば宗體に背く
たゞ一葉のひるがへる 風の行方をご覧ぜよ
とあります。
茶の湯の道も、受動的でなく自らが進んでその道を切り開いていくのが本旨である。
なんて井口海仙宗匠はおっしゃったけど、まだまだそこまで行くには遠い道のりでございます…。