利休道歌 86

盆石をかざりし時の掛物に 山水などはさしあひとしれ

現在では夜咄(よばなし・冬に日没から夜間にかけて催す茶会)以外の茶会には

茶席の床に盆石を飾るようなことはしませんが

利休およびその前後の時代の茶会には、床によく盆石が用いられたようです。

この歌はその盆石を飾る時の心得です。

「差し合い」とは同じものが重なるということで、茶道では最も嫌われます。

盆石は結局盆の上に山水を写したものですから、その上に山水の軸をかければ

「差し合い」になるわけです。それを戒めているのです。