利休道歌 24

炭置くはたとへ習ひにそむくとも 湯のよくたぎる炭は炭なり

お湯がなくてはお茶を点てることはできません。

お湯はお釜がなければ沸きません。

釜があっても、炭のつぎ方が悪いと火は起こりませんし

お湯は沸きません。

今なら瞬間湯沸し器や、やかんをコンロにかけてすぐ沸きますが

昔はどこの家でも炭を使っていたと思います。

わたし自身もお茶を習う前までは、炭に触ったこともありませんでした。

茶道にはお茶を点てる作法以外に、炭のつぎ方を教える作法があります。

初炭・後炭・炭所望・廻り炭などです。

炭のつぎ方はその作法よって、決められていますが

炭手前の本来の目的は炉中や風炉中に、美しく形よく炭をつぐことだけではありません。

火相が悪く、お湯がたぎらなければ、良いつぎ方とはいえません。

少々見た目が悪くても、よくお湯がたぎるように炭をつぐのが、炭手前です。

これも普段からの実践で、なかなか火がよ~く起きるようにはならないのです。

何事も「経験」ですね。